テニス上達コラム
2024,01,23,Tue
テニスを始めたばかりの方、テニスをこれから始めようと考えている方向けに
テニス指導歴30年のコーチが、スグに上手に打てるコツを分かりやすく解説。
今回はダブルスの応用編、「並行陣」について解説!
並行陣とはダブルスでのラリー展開の中で、本来ベースライン付近にいる後衛もサービスライン付近まで詰めていきネット前をペアで守る陣形の事です。
最初はボレーが苦手な人が多く難しい陣形と思われがちですが、慣れてくると雁行陣より楽に感じられると思います。
【並行陣のメリット】
・ネットに近づくため、得点力が高くなる。
・相手にプレッシャーを与えれる。
・走る範囲が狭まり、効率よく展開を進められる。
テニスのミスは大きく「ネット」と「アウト」の2種類に分けられます。
特に、ネットミスはテニスの中で一番もったいないミスと言われています。
並行陣のようにネットに近づけば、その分ネットミスのリスクは下がり、得点に繋がるボールも打ちやすくなります。
また図を見てもらうと分かるように、ベースライン付近でプレーするストローカーは必然的に振り回されるコートが広くなります。
走る範囲を狭められれば、疲れにくくなり質の高いプレーを持続できます。
【並行陣がマスターできるポイント3つ】
ポイント① ポジションのなぜ?を理解する
他の事においてもそうですが、ただ形を覚えるより「なぜその形なのか」を理解してあげた方がポジションは覚えやすいです。
例えば、並行陣の練習を初めたての方で多いのは「前に行き過ぎてしまう」です。
特にベースラインから前に詰める後衛は、勢い余ってついついペアの前衛を追い越し気味になることがあります。
その場合、どうなってしまうのかを相手のストローカー目線で見てみましょう。
センターに隙間ができ、狙われやすくなります。
このコースは、前に詰めすぎた後衛からするとペア側のボールに見え、ペアからすると遠くに逃げていくボールなので
結果見送りやすいコースとなります。
後衛がペアより後ろで止まった場合、同じコースに打たれても両方がとる事ができる上に、高いボールなら前衛がポーチボレーを狙えます。
ポイント② 「決め」のボレーと「つなぎ」のボレーを使い分けよう!
得点力が高くなっているとは言っても、全てのボールで決めに行くことはできません。
基本的には相手の後衛の足元めがけて深いボレーでつなぎ、浮いたボールやネットより高い位置から狙えるチャンスボールで決めに行く等
攻めと守りのメリハリを意識しましょう!
戦術的には並行陣の後衛側がつなぎながら相手を振り回し、前衛が決めるのがセオリーですね。
あらかじめペアと打ち合わせをしてイメージを共有しておきましょう!
ポイント③ ストレートロブへの対応
並行陣を構えると、相手はロブを使ってくるようになります。
特に相手の後衛からは正面にいる前衛の後ろ(ストレート側)が空いているように見えるため、ストレートロブが多くなります。
ストレートロブの対処は、レベルによって分かれます。
・縦割り(ロブを上げられた側の人がスマッシュやハイボレーで凌いで陣形を崩さない)※上級推奨
・サイドチェンジして反対サイドのペアが取る
縦割りに関しては、上級者向けの方法になりますが、スマッシュやハイボレーの技術が備わってくると
ペアでサイドチェンジするより、陣形が崩れにくく相手に時間を与えないため最適な対処法となります。
しかし難易度はかなり高いため最初の内は無理せず、しっかりペアと声掛けをしてサイドチェンジして対処しましょう。
【声掛けで意識する事】
ロブで抜かれる前衛の場合 : ロブが上がって自分で対処出来るか出来ないか。
ロブを取りに行く後衛の場合 : ロブを取る位置がペアとのチェンジが必要かどうか。
一番避けておきたいのは、ペアの2人ともが一か所にボールを追いかけ反対サイドがガラ空きになってしまう事です。
ロブを上げられても自分で対処できるなら「オーライ!」や、「オッケー!」など。
サイドチェンジする時は「チェンジ!」と大きな声で、ペアに「次どうするか」を共有して2人で隙をカバーしていきましょう。
【まとめ】
突き詰めれば奥深い陣形ですが、上記のポイント3つを押さえておけば安定した並行陣を構えることができます。
まずは、「勝ちに行く」ではなく「ミスしない」を目標に練習してみましょう!
| ノウハウ | 05:46 PM |
2024,01,21,Sun
テニスを始めたばかりの方、これから試合にも挑戦してみようという方向けに
テニス指導歴30年のコーチが、スグに上手に打てるコツを分かりやすく解説。
今回はダブルスでポイントを取るのに重要な「ポーチボレー」について解説していきます!
ポーチボレーってなに?
テニスのダブルスはサーブから始まると、その後ほとんどが後衛同士のクロスラリーから展開されます。
そのクロスラリーに前衛が割り込んで打つボレーをポーチボレーと言います。
後衛の場合、エース(得点)よりミスでラリーが途切れる方が確率は高いため、ペアの後衛がミスする前に前衛が積極的にポーチボレーを使っていきましょう。
また、前衛が積極的にポーチに出ることで、相手の狙えるコースを狭めて後衛にプレッシャーをかけることができます。
ダブルスにおいて、前衛がしっかりと相手に存在アピールしていくことが勝利の鍵となります。
【ポーチボレーを決めるポイント3つ】
最初はラリーに割り込むのが怖かったり不安だったりと、なかなか思い切ってポーチに飛び出せないこともあると思います。
ポーチは事前に「いつ出るのか」「どうやって出るのか」を押さえておけば、格段に飛び出しやすくなります。
ポイント① ポーチに出やすい場面を見極めよう!
ポーチに出れるかどうかは、自分たちの打ったコースや相手の立ち位置などによって判断します。
・相手の後衛がセンターから返球しようとするとき。
センターからだと返球する時に外への角度が狭まるため、ポーチボレーに出やすくなります。
問題は、センターで後衛に打たせるためには相手の前衛をかわしてボールを通さないといけなくなります。
もしサーブでセンターを狙えると、ルールにより相手の前衛は触ることができないため安心してポーチを狙えます。
・相手の後衛が体勢を崩したとき。
自分たちが深めのボールなどを打つと、相手の後衛がスイングを詰まらせることがあります。
その場合、角度や威力が甘くなりやすくポーチのチャンスとなります。
【注意①】
深いボールがワイドに行った場合、相手がスイングを詰まらせるとストレート方向に飛んでくることがあります。
その場合はストレートをケアしながら、クロスだったら飛び出す。ぐらいに考えておきましょう!
ポイント② ポーチしやすい飛び出し方をマスターしよう!
後衛のクロスラリーに割り込むポーチボレーは、どうしても横移動と思われがちです。
クロスのボールに対して横移動していくと、クロスへ角度の広がっていくボールの後を追う形になってしまい、ポイントを取れる場面は少なくなります。
なので、クロスのボールに飛び出すときはネットに詰めるように「斜め前」に移動していきましょう。
ネットに詰めれば狙える角度も広がり、こちらのネットミスのリスクも下がります。
クロスに飛んでくるボールは、ネット中心(センターベルト)付近の上を通過します。
飛び出すときは、センターベルトに向かっていくことを意識しましょう!
【注意②】
飛び出すタイミングが早すぎると、相手がコースをストレート方向に変える恐れがあります。
相手のスイングをしっかり見て、コースを変更できないタイミングで飛び出すようにしましょう!
ポイント③ ポーチでは狙うところを絞っておこう!
ポーチボレーにも、とらえる高さや次の展開によって狙うべきコースが存在します。
ただ、動きの激しい中コースを打ち分けるのは至難の業です。
最初の内は、コースを絞って確実にポイントを取りに行きましょう。
コースを1つに絞るなら、センターがおすすめです。
センターなら、相手のペアの間を狙うことができます。
もし相手前衛がセンターをカバーしていた場合、足元を狙うことになるので打ち返されたとしても
構えていればもう一度ボレーのチャンスがやってきます。
他コースを狙うのは、上記内容をマスターしてからでも遅くはありません。
焦らずに挑戦していきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
ドンピシャのタイミングでポーチが決まると、とても気持ちが良いです。
失敗しても、相手に「向こうの前衛は動いてくるかもしれない」というプレッシャーを与えれます。
最初は「取れなくてもいい」ぐらいの気持ちで挑戦してみてください!
| ノウハウ | 11:31 AM |
2024,01,20,Sat
テニスを始めたばかりの方、テニスをこれから始めようと考えている方向けに
テニス指導歴30年のコーチが、スグに上手に打てるコツを分かりやすく解説。
今回はダブルスの基本となる「ポジション」と簡単な「戦術」について解説していきます!
はじめに
はじめてダブルスをしてみると、どこに立っていればいいか不安になる方も多いと思います。
ポジションは、自分たちが打ったコースや戦術によって大きく変わってきます。
突き詰めていくと、かなり難しいので今回は基本である「雁行陣(がんこうじん)」での立ち位置を紹介していきます。
ステップ1 ペアとの役割分担を意識しよう!
雁行陣では、ベースライン付近でプレーする後衛とネット前でプレーする前衛に分かれています。
まずはペアとの簡単な役割を決めておきましょう。
役割は大きく2つに分かれます。
● ラリーを繋いだり、コースを狙ってチャンスを作る。
● チャンスボールなどを決めに行く。
最初の内は、後衛がつなぎ前衛が決める。という役割分担が多いと思います。
しっかりペアとコミュニケーションを取って、事前に相談しておきましょう!
ステップ2 攻守に合わせてポジションを切り替えよう!
他競技ほど明確ではありませんが、テニスにも攻守それぞれの状況が存在します。
攻めれる時につないでしまったり、守らければいけない時に無理に攻めてミスしてしまうことがダブルスでポイントが取れない原因だったりします。
次に相手ペアのどちらが打つのか、自分たちの打ったボールがどこに入ったのかによってポジションを切り替えていきましょう。
後衛の場合
攻めれる場面 : 自分たちの打ったボールが相手コートに深く入った時。
自分たちの打ったボールが深く入った時、相手はスイングを詰まらせるかもしれません。
その場合、相手はボールを深く運ぶことが出来ないので短いボールが飛んできます。
焦らなくてもいいボールなので、しっかり踏み込んで深く返すよう意識して打っていきましょう。
守らなければいけない場面 : 自分たちの打ったボールが短くなってしまった時。
攻めれる時と逆で、自分たちのボールが短くなると相手が深いボールを打ててしまうかもしれません。
ベースライン後方にポジショニングし、深いボールもケアできるようにしておきましょう。
後に触れますがこの場合、相手の前衛がポーチに出てくる可能性もあるので、高いボールでの返球も有効です。
前衛の場合
攻めれる場面 : 相手の後衛がボールを返球する時。
特に、後衛と同様に自分たちが深く返球できた時や、ネット前で高めのボールを取れる時にポーチへ出れる確率が上がります。
後衛の時と同様で、深いボールで返球できれば相手からのボールの角度や威力が甘くなりやすいです。
その場面を前もってイメージしておくことで、いざという時の1歩が早くなります。
攻めれる時は、少しネットに近づいてポジショニングをしましょう。
守らなければいけない場面 : ペアの後衛がボールを返球するとき。
ペアの後衛が返球する段階だと、相手の前衛がポーチに出てくる可能性があります。
その際にペアと自分の間を抜かれることが一番の脅威なので、 少しセンター気味に下がって構えましょう。
最初は分からずパニックになりそうな場面も、「なぜこうする?」をしっかり理解してあげると動き出しは早くなります。
ステップ3 滞空時間をコントロールして余裕を作ろう!
ラリーの展開が早くなると、ポジショニングが間に合わずミスが増加します。
相手に攻められてる時や陣形が崩れてる時に、無理に速いボールで攻め返すと空いたままのゾーンを狙われます。
攻められてるときは焦らず、丁寧に返すことを心がけましょう。
ロブやスライスなどの、滞空時間が長いボールを使う事で落ち着いてポジションを整えることが出来ます。
ダブルスだと、相手のスマッシュが怖くてなかなかロブを使えない方もいるかもしれませんが
無理に返してミスをするより、1球でも多く返して相手のミスを待つ方がポイントに繋がります。
まとめ
いかがでしたか?
最初は分からなくても、回数を重ねるごとにどんどん思考が追い付いてきて思い通りに体が動かせるようになってきます。
ミスをしたり、相手に決められてしまうことで「次はこうしよう」とイメージが湧いてきます。
まずは「ミスを怖がらない」ことを意識しましょう!
| ノウハウ | 11:27 AM |
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